カシミヤ について
ー 繊維の宝石 ー
カシミヤマフラーなどに使われる毛は、ウシ科ヤギ属のカシミヤ山羊の毛です。
現在では中国、モンゴル、インド北部、イラン、ヒマラヤ高地一帯周辺（チベット等）で放牧に近い形で飼育されています。それらの国々の中でも、冬は零下30度以下の極寒、夏は逆に30度を越す猛暑という、厳しい気候条件の下で生息しています。
柔らかな産毛はふんわりとした柔らかさと、軽さが特徴で人々を魅了してきましたが、一頭のカシミヤ山羊から採取される産毛はわずかです。
そのような環境下で育つカシミヤ山羊を、人間の都合で環境の異なる地への移動を試みたとき、生き残る事はできたものの、最大の特徴である産毛の上質さと柔軟性を失う結果となりました。細かくて柔らかい産毛が殆ど生えてこなかったそうです。
ジースタイルではカシミヤの中でも高品質とされる『内モンゴル産』のカシミヤを使用しております。
内モンゴルのカシミヤ山羊は、夏と冬の気温差が激しい山岳地帯に生息する山羊です。
寒い冬から身を守るため、秋口から表面の粗い毛の下には細くて柔らかい産毛が生えてきます。この柔らかい毛のみを採取したものが、カシミヤマフラーやストールとして使用されることになるのです。
採取量は非常に少なく、１頭から100g採取できないほどです。
毛が抜ける生え代わりの時期に櫛で梳き取るか自然に抜けた毛を採取します。バリカンで刈るとカシミヤ山羊を傷つける可能性があるので、丁寧に櫛で梳いていきます。
梳き採った毛を集めて細いうぶ毛だけを選り分け、最終的にセーターを1枚作るのに、2~3頭分の産毛が必要だと言われております。
この採取量の少なさのためカシミヤは希少価値が高い ” 繊維の宝石 ” と呼ばれています。
ー ふんわり柔らか ー
カシミヤの特徴といえば、滑らかで心地良い『肌触り』です。
ふんわりとして滑らかな触り心地、これはカシミヤの繊維が非常に細くて柔らかいからです。
カシミヤ繊維の平均直径（14～16マイクロン）は、普通の羊毛（19～24マイクロン）に比べて細いため、しなやかなであり滑らかです。（ちなみに人間の毛髪は約40～50ミクロンです）
人間はヒツジを始めアンゴラ、キャメル、アルパカ、モヘヤなど様々な動物の毛を紡ぎ衣類を作ってきましたが、カシミヤの毛が一般的な衣料として出回っている動物の毛の中では一番細いです。
また繊維の表面を突起の少ないキューティクルが鱗状に覆っているので、肌触りがとても良いだけでなく、光を真っ直ぐに反射させ、美しい光沢感を生み出します。
さらに天然カシミヤは含まれている油脂分が繊維表面を覆っており、カシミヤ独特の滑らかな『ぬめり』を生み出しています。
そのためチクチクすることもなく、肌の弱い人でも気持ち良く着用することができるのです。
ー 保温/保湿 ー
その細さからカシミヤ繊維は、1本の糸を紡ぐにあたり、より多くの繊維を束ねる事が可能です。
とても細いカシミヤ繊維を束ねると複雑に絡み合うため、空洞がたくさんでき空気をたくさん含むことになります。
暖かさを保つ役目をするのが、この「空気」なのです。
空気は風のように動いていると熱の揮発を促し寒く感じるのですが、動かなく留まっている空気は断熱効果が高いのです。暖かい空気を内へとため込みます。そのため熱が逃げにくく保温性が高い繊維といえます。
さらに繊維の表面にはスケール（キューティクル）構造があります。このスケールが、開閉して空気中の水分を取り込んだり、吐き出したりするため、快適な湿度を保つように調整してくれるのです。
これらの性質がカシミヤニットの優れた保温性・保湿性を生み出します。
カシミヤならではの快適さはここから生まれており、化学繊維にはない特徴です。
近年カシミヤの混率問題が紙面を大きくにぎわせました。
カシミヤが製品になるまでには紡績会社も公の検査機関で原毛の混率を検査をしておりますし、原毛を輸出する会社も検査をして輸出します。厳重に検査しても、何らかの間違えで他の素材が混ざってしまうことがありますが、近年騒がれていたカシミヤ100％の商品が30%しか入っていなかったとかは自然にはまずありえません。
ジースタイルでは検査協会において、カシミヤ製品の混率検査を行っております。
検査協会で出たデータをもとに品質表示を作製しております。
着ごこちが素晴らしいカシミヤですが、その繊維の細さからピリング（毛玉）になりやすい特性もあります。
日々のお手入れで着用後は、柔らかいブラシで表面のホコリやゴミをそっと払い毛並みを揃え、風を通して湿気をとっておくことが重要です。
ー 温かく、保湿が高く蒸れにくい
柔らかく皮膚刺激性が低く、独特のぬめり感や光沢 ー
ジースタイルではカシミヤ１００％商品を数多くつくっております。この機会に是非皆様おためしください。